山本昌が振り返る2016シーズン。
広島カープ、セ優勝の秘密は「危機回避能力」にあり
25年振りのカープ優勝は圧倒的な強さだった。その秘密を山本昌が指摘する
今季、中日から移籍したルナ選手とエルドレッド選手が右太ももを痛めて試合に出られない間、安部友裕選手がその穴を見事にカバーし、何より「神ってる男」鈴木誠也選手の大ブレイク、ベテラン新井貴浩選手の活躍によって、チーム力を落とすことなく戦えた。リーグ優勝の要因のひとつと言えるでしょう。
一方、躍進を遂げたDeNAは筒香嘉智選手が脇腹の肉離れなどを故障し、梶谷隆幸選手も左脇腹痛で出遅れましたが、その代わり桑原将志選手がチャンスをものにして1番に定着するなど結果を残しました。球団初のクライマックスシリーズ進出の背景には「怪我の功名」もあったような気がします。
パ・リーグも同様です。9月1日の西武戦で、柳田悠岐選手が打球を捕球の際に右手薬指を骨折してしまったことが結果的に響いてしまったのかもしれませんし、開幕は好スタートを切った楽天も、4月に松井稼頭央選手、藤田一也選手、今江敏晃選手、岡島豪郎選手と主力選手が軒並み故障しました。もし、彼らがけがをしていなければ、5位という結果には終わらなかったはずです。
故障者が出てしまえばチームは代わりの選手を試合に出すのは当然のこと。不測の事態に陥ってもレギュラーと同等の力を持つ若手を育てられていたか?
広島やDeNAの躍進を見ると、そういった「危機回避能力」の高さが問われた1年だったのではないかと感じます。
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