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山本昌が振り返る2016シーズン。
広島カープ、セ優勝の秘密は「危機回避能力」にあり

25年振りのカープ優勝は圧倒的な強さだった。その秘密を山本昌が指摘する

 今季、中日から移籍したルナ選手とエルドレッド選手が右太ももを痛めて試合に出られない間、安部友裕選手がその穴を見事にカバーし、何より「神ってる男」鈴木誠也選手の大ブレイク、ベテラン新井貴浩選手の活躍によって、チーム力を落とすことなく戦えた。リーグ優勝の要因のひとつと言えるでしょう。

 一方、躍進を遂げたDeNAは筒香嘉智選手が脇腹の肉離れなどを故障し、梶谷隆幸選手も左脇腹痛で出遅れましたが、その代わり桑原将志選手がチャンスをものにして1番に定着するなど結果を残しました。球団初のクライマックスシリーズ進出の背景には「怪我の功名」もあったような気がします。

 パ・リーグも同様です。9月1日の西武戦で、柳田悠岐選手が打球を捕球の際に右手薬指を骨折してしまったことが結果的に響いてしまったのかもしれませんし、開幕は好スタートを切った楽天も、4月に松井稼頭央選手、藤田一也選手、今江敏晃選手、岡島豪郎選手と主力選手が軒並み故障しました。もし、彼らがけがをしていなければ、5位という結果には終わらなかったはずです。

 故障者が出てしまえばチームは代わりの選手を試合に出すのは当然のこと。不測の事態に陥ってもレギュラーと同等の力を持つ若手を育てられていたか? 
 広島やDeNAの躍進を見ると、そういった「危機回避能力」の高さが問われた1年だったのではないかと感じます。

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山本 昌

やまもと まさ

1965年8月11日、東京都生まれ。神奈川・日大藤沢高から83年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。プロ5年目、88年の米国への野球留学をきっかけに飛躍し、同年8月プロ初勝利。以後はスクリューボールを武器に活躍する。93年に最多勝利、最優秀防御率のタイトルを獲得すると、翌94年には連続最多勝利と沢村賞に輝く。97年にも最多勝利。2006年9月16日対阪神戦でプロ野球史上最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン、08年8月4日の巨人戦で史上24人目となる通算200勝を樹立。通算581試合に登板し219勝165敗。


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